静かな神社の境内。
柏手を打ち、そっと目を閉じる。
いつものように「二拝二拍手一拝」をして、神様にご挨拶をするけれど…。
(家族が健康でありますように、仕事がうまくいきますように…)
心の中で浮かぶ願いと、古くから伝わる祝詞の言葉との間に、ほんの少しだけ距離を感じたことはありませんか?
「この言葉、本当に100%、今の私の気持ちなのかな?」
「もっとこう、自分の言葉で、今のこの感謝を伝えたいのに!」
素晴らしい力を持つ伝統的な祝詞も、もちろん大切。
でも、もし。
たった今、あなたの心から湧き出たばかりの、瑞々しくて、温かい”あなただけの言葉”で、神様に直接想いを伝えられたとしたら…
それって、最高に素敵なことだと思いませんか?
この記事は、そんな風に感じたことがある、あなたのために書きました。
これは、神様との距離をぐっと縮める「オリジナル祝詞」の作り方を、誰にでも分かるように、世界一やさしく解説する”本格講座”です。
「私なんかが作っていいの?」
「難しくて、きっと無理だよ…」
大丈夫、その不安な気持ち、すごくよく分かります。
でも、心配しないで。
この記事を読み終える頃には、あなたは「祝詞作家」としての第一歩を、自信を持って踏み出しているはずだから。
さあ、あなただけの祈りの言葉を紡ぐ、創造的でスピリチュアルな旅へ、一緒に出かけましょう。
なぜ、あえて「オリジナル祝詞」なの?そのすごいメリットとは
「有名な祝詞がたくさんあるのに、なんでわざわざ自分で作る必要があるの?」
そう思うのも、もっともだよね。
でも、オリジナル祝詞には、定型文の祝詞にはない、ものすごくパワフルなメリットがあるんだ。
結論から言うと、オリジナル祝詞を作る最大のメリットは、「神様と”親友”になれる」こと。決まった挨拶だけじゃなく、自分の言葉で今日の出来事や感謝を伝えることで、神様との関係性が劇的に深まり、あなたの祈りがよりダイレクトに届くようになるんだ。
具体的には、3つのすごいメリットがあるよ。
- 神様との絆が、ありえないほど深まる
いつも同じ挨拶だけ交わす相手と、日々の悩みや喜びを語り合う相手、どっちが”親友”になれるかな?それと全く同じ。自分の言葉で、自分の気持ちを正直に語りかけることで、神様はあなたのことをもっと深く理解してくれる。それは、あなたと神様だけの、特別な絆が生まれる瞬間なんだ。 - 願い事が、超・具体的に届きやすくなる
例えば「商売繁盛」という定型の祈りも素晴らしい。でも、「〇〇という新商品の開発が、△△という困難に直面しています。どうか、突破するための知恵と勇気をお与えください」と具体的に祈れたら、どうだろう?神様も「OK、それならこの人に会わせてみよう」「この本を読ませてみよう」と、的確なサポートがしやすくなるんだ。祈りの”解像度”が上がることで、現実が動くスピードも加速するよ。 - あなたの「言霊(ことだま)」パワーが最大化する
言葉には、それ自体に力が宿る「言霊」というエネルギーがある。特に、心から湧き出てきた本音の言葉、あなた自身の魂が乗った言葉は、最強のパワーを持っているんだ。誰かの言葉を借りるのではなく、あなた自身の言葉で祈るとき、その言霊のパワーは最大化され、天を動かすほどの力になる可能性を秘めているんだよ。
オリジナル祝詞作りは、単なる文章作成じゃない。
それは、神様と対話し、自分と向き合い、そして自らの手で運命を切り拓いていく、神聖でクリエイティブな儀式なんだ。
祝詞作りの前に!絶対に押さえるべき3つの大原則
「よし、じゃあ早速作ってみよう!」
その意気込み、素晴らしい!
でも、その前に。ほんの少しだけ待って。
自由に作るといっても、相手は尊い神様。
友達にLINEを送るのとは、わけが違う。
これからお伝えする「3つの大原則」だけは、お守りのように、常に心に留めておいてほしいんだ。
これさえ守れば、あなたが神様に失礼をすることは絶対にないから、安心してね。
- 【大原則1】「敬意」と「感謝」をベースにする
これが一番、いや、宇宙で一番大切なこと。祝詞は、お願い事をするための「注文書」じゃない。まずは「いつも私たちをお見守りくださり、ありがとうございます」という、日頃の感謝を伝えることから始めよう。その上で、「〇〇させていただけますでしょうか」という謙虚な姿勢でお願いを伝えること。この感謝と敬意の土台があれば、あなたの祝詞は必ず神様に喜ばれるものになるよ。 - 【大原則2】ポジティブで「美しい言葉」を選ぶ
神様は、ネガティブで汚い言葉がちょっと苦手。例えば、「貧乏から抜け出したい」ではなく「豊かな毎日を送りたい」、「病気を治してほしい」ではなく「健やかな心と体で過ごしたい」というように、願いが叶った後の、明るくポジティブな状態を言葉にしてみよう。言霊の力は、美しい言葉を選ぶことで、さらに輝きを増すんだ。 - 【大原則3】「誰が」「どうする」を明確にする
意外と見落としがちなのがコレ。「成功しますように」だと、誰が?いつ?って、神様もちょっと困っちゃう。「私、〇〇(自分の名前)が、この事業を成功させますので、どうかお力添えください」というように、行動の主体である「私」を入れること。神様は、あくまであなたの”サポーター”。あなたが主役となって行動する意志を示すことで、神様も全力で応援してくれるようになるんだ。
この3つの大原則は、祝詞作りの「憲法」みたいなもの。
この精神さえ忘れなければ、あなたはもう何も恐れることはないよ。
【プロが直伝】誰でもできるオリジナル祝詞の作り方 5ステップ
お待たせしました!
いよいよ、オリジナル祝詞作りの実践講座を始めるよ。
難しく考えなくて大丈夫。料理のレシピみたいに、ステップバイステップで進めていけば、誰でも必ず、素晴らしい祝詞が完成するからね。
ステップ1:設計図を作る(誰に、何を、どうしてほしいか)
まずは、いきなり書き始めるんじゃなくて、頭の中を整理する「設計図」を作ろう。
紙とペンを用意して、3つのことを書き出してみて。
- 誰に?(To): あなたが祝詞を届けたい神様は誰?
例:家の神棚の神様、地元の氏神様、大好きな天照大御神様、商売繁盛の稲荷神様など - 何を?(What): 一番伝えたい感謝や願い事は何?(一つに絞るのがコツ)
例:新しいプロジェクトの成功、家族の健康、素敵なパートナーとの出会いなど - どうしてほしい?(How): 神様に、具体的にどうサポートしてほしい?
例:成功への道を照らしてほしい、困難を乗り越える勇気がほしい、良縁を引き寄せてほしいなど
この3つが明確になるだけで、あなたの祝詞はぐっと具体的で、パワフルになるよ。
ステップ2:基本構成【導入・本題・結び】を知る
祝詞には、実は基本となる「型」があるんだ。
「導入→本題→結び」の3部構成。これを意識するだけで、文章が驚くほど整うよ。
- 導入(称辞:たたえごと): 神様のお名前をお呼びし、そのご神徳を称え、日頃の感謝を伝えるパート。
- 本題(祈願:ねぎごと): 今回、特にお伝えしたい願い事を申し上げるパート。
- 結び(結辞:むすびのことば): 「どうかお聞き届けください」と、改めて敬意を示して締めくくるパート。
この3つの箱を用意して、次のステップで言葉を入れていこう。
ステップ3:パーツごとに言葉を紡ぐ【例文付き】
さあ、いよいよ言葉を紡いでいくよ。
ステップ1で作った設計図を見ながら、各パーツを埋めていこう。
- 【導入の例文】
「此(こ)の神床(かむどこ)に坐(ま)します、〇〇大神様(神様の名前)。(←誰に)
広き厚き御恵(みめぐみ)を辱(かたじけな)み奉り、常に我等(われら)をお見守りくださいますこと、厚く御礼申し上げます。(←感謝)」 - 【本題の例文】
「恐み恐みも白(まを)さく、私、△△(自分の名前)は、今、□□(具体的な願い事)の成就を心より願っております。(←何を)
この道を進むにあたり、我が心に迷いなく、進むべき道を照らし、大いなるご神徳を以て、お導きくださいますよう、伏してお願い申し上げます。(←どうしてほしい)」 - 【結びの例文】
「何卒(なにとぞ)、この祈りを聞き食(め)し、幸(さきは)へ給(たま)へと、
恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まを)す。(←締め)」
どうかな?
〇〇や△△の部分をあなたの言葉に変えるだけで、もう立派なオリジナル祝詞の骨格が完成したよね!
ステップ4:声に出して推敲する(リズムと響きの調整)
文章が完成したら、絶対にやってほしいのが「音読」。
祝詞は、目で読むものじゃなく、声に出して神様に届けるもの。
実際に声に出してみると、
「ここの言い回し、ちょっと詰まるな」
「もっと、しっくりくる言葉がある気がする」
といった発見がたくさんあるんだ。
言霊が心地よく響くように、言葉の順番を入れ替えたり、類語辞典で別の言葉を探したりして、あなたの魂が「これだ!」と納得するまで、何度も調整してみよう。
ステップ5:清書して神棚へ奏上する
完璧な祝詞が完成したら、最後は「清書」。
できれば、少し良い和紙と筆ペンを用意して、心を込めて丁寧に書き写そう。
この書くという行為そのものが、祈りになるんだ。
書き上げた祝詞は、神棚にお供えし、いよいよ神様へ奏上します。
あなたの心のこもった言葉は、きっと、まっすぐに神様の元へ届くはずだよ。
ここが知りたい!オリジナル祝詞Q&A
「作り方は分かったけど、細かいところでまだ不安が…」
そんなあなたのために、よくある質問と、その答えをまとめたよ。
🙆♀️ こんな時どうする?作成のヒント集
- Q. 美しい言葉や敬語が思いつきません…
A. 全然大丈夫!最初は無理に難しい言葉を使おうとしなくてOK。「ですます調」の丁寧な言葉で、心を込めて書けば十分伝わります。大祓詞(おおはらえのことば)など、有名な祝詞を書き写してみると、素敵な表現がたくさん見つかりますよ。 - Q. 願い事がたくさん!まとめてもいい?
A. 気持ちは分かるけど、欲張るのはNG!祝詞は「一つの祈りに、一つの祝詞」が基本です。一番大切な願い事一つに集中することで、祈りのエネルギーが分散せず、神様に届きやすくなります。 - Q. どんな紙に書けばいいの?
A. 神様への手紙なので、できれば綺麗な紙が望ましいです。半紙や奉書紙(ほうしょがみ)などがベストですが、なければ無地のコピー用紙や、お気に入りの便箋でも大丈夫。大切なのは、紙の値段よりも、あなたの「真心」です。
🙅♀️ これはNG!避けるべき表現と注意点
- 命令・脅迫形の言葉
「〜してください」「〜してくれないと困ります」といった言葉は、神様への敬意を欠いています。「〜させていただけますでしょうか」「〜をお導きください」といった、謙虚な「お願い形」を使いましょう。 - 他人を呪うネガティブな願い
「ライバルの〇〇が失敗しますように」といった、他人の不幸を願う祈りは、絶対にNGです。そのネガティブなエネルギーは、巡り巡って必ず自分に返ってきます。 - 他責・言い訳の言葉
「〇〇のせいで上手くいきません」といった、他人や環境のせいにする言葉は避けましょう。「私自身の力で乗り越えますので、お力添えを」という、自立した姿勢が大切です。
【8月の祈願別】今すぐ使える!オリジナル祝詞テンプレート3選
「理屈は分かったけど、やっぱりゼロから作るのは難しい…」
そんなあなたのために、この講座の集大成として、8月の様々なシーンで使える祝詞のテンプレートを3つ用意したよ。
まずはこれをベースに、あなたらしい言葉に書き換えることから始めてみて!
例文1:お盆に捧げる「ご先祖様への感謝」の祝詞
掛(か)けまくも畏(かしこ)き、我が〇〇家(自分の苗字)の遠津御祖(とほつみおや)の御霊(みたま)達の御前(おんまえ)に、恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まを)す。
今ここに、お盆を迎え、御霊様達が還(かへ)り坐(ま)しますこと、謹んで御礼申し上げます。
御霊様達が繋いでくださった尊き命の恵みにより、我等(われら)家族一同、今日(こんにち)も健やかに過ごさせていただけますこと、心より感謝申し上げます。
どうかこれからも、我等家族の行く末を常に見守り、幸(さきは)へ給(たま)へと、恐み恐みも乞い祈り奉(まつ)る。
例文2:夏祭りで祈る「地域の安寧と無病息災」の祝詞
此(こ)の〇〇(地名)の地を、常(とこ)しえに守り給(たま)ふ、産土(うぶすな)の大神様の御前に、恐み恐みも白す。
今夏も、麗(うるわ)しき夏祭りを斎行(さいこう)できますこと、氏子(うじこ)の一人として、篤(あつ)く御礼申し上げます。
願わくは、この地に住まう人々、一人ひとりが夏の災いなく、病なく、健やかなる心と体をもって、日々の暮らしを営むことができますよう、大神様の広き厚き御神徳を以て、お導きください。
我が町、〇〇(地名)が、益々(ますます)栄えゆきますことを、恐み恐みも祈り奉る。
例文3:自分の夢を後押ししてもらう「目標達成祈願」の祝詞
高天原(たかまのはら)に坐(ま)しまして、天(あめ)と地(つち)に御働(みはたら)きを現(あらわ)し給(たま)ふ、〇〇大神様(あなたの好きな神様の名前)。
常日頃からの御神恩、深く感謝申し上げます。
恐み恐みも白さく、私、△△(自分の名前)は、□□(達成したい目標)という大願を抱き、その成就のため、日々全身全霊を以て励んでおります。
されど、未熟なるが故に、時に道を見失い、心がくじけそうになることもございます。
願わくは、大神様の絶大なる御力(みちから)を以て、我が行く手を阻む障りを取り払い、進むべき道を光で照らし、大願を成就させ給へと、伏して祈り奉る。
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まとめ
長い長い講座に、最後までついてきてくれて、本当にありがとう!
ここまで読破したあなたは、もう立派な「祝詞作家」です。
胸を張って、自信を持ってほしい。
最後に、この講座で一番伝えたかったことを、もう一度だけ。オリジナル祝詞作りで最も大切なのは、美しい言葉を並べるテクニックではありません。神様やご先祖様を心から敬い、感謝する、あなたのその「真心」です。その真心さえあれば、たとえ言葉が拙くても、あなたの祈りは必ず、温かい光となって神様の元へ届きます。
難しく考えすぎないで。
まずは、今日学んだことを参考に、短い感謝の言葉を紡いでみることから始めてみてください。
「神様、いつもありがとう」
その一言だって、あなたの心から生まれた、世界に一つだけの尊いオリジナル祝詞なのだから。
祝詞について、もっと専門的に学びたくなったら、いつでもこのサイトに帰ってきてくださいね。
→ 祝詞事典
あなたの紡ぐ言葉が、あなたと神様との間に、固く、美しい絆を結びますように。
心から、応援しています!
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