夏の夕暮れ、窓の外からツクツクボウシの鳴き声が聞こえてくる。
ふと部屋の隅にある神棚に目をやると、なんだかいつもより神聖な空気が漂っている気がする…。
「ちゃんとお参りしたいけど、いつも『二拝二拍手一拝』だけで、なんて声をかけたらいいか分からないんだよな…」
8月は、お盆や各地の夏祭りで、普段よりずっと神様やご先祖様を身近に感じる特別な月。
だからこそ、あなたのその「感謝の気持ちを伝えたい」という想いは、とっても尊いものなんです。
この記事は、そんなあなたのために書きました。
「祝詞(のりと)って難しそう…」
「間違えたら神様に失礼かな?」
大丈夫、心配しないで。
この記事を読み終える頃には、祝詞への苦手意識はすっかり消え、自信を持って神様に日々の感謝を伝えられるようになっていますよ。
まるで親しい友人に話すように、一つひとつ、あなたのペースに合わせて丁寧に解説していくから、リラックスして読み進めてくださいね。
さあ、一緒に神様との素敵なご縁を結ぶ旅に出かけましょう!
そもそも、なぜ8月に祝詞を奏上するの?
「なんで特に8月なの?」って思うかもしれないよね。
実は、8月って一年の中でも、私たちと目には見えない世界との距離がぐっと縮まる、スピリチュアルな月なんです。
結論から言うと、8月に祝詞を奏上するのは、ご先祖様への感謝と、私たちを見守ってくれる神様への感謝を伝える絶好の機会だから。この時期に感謝の気持ちを言葉にして伝えることで、より深いご加護をいただけると考えられているんです。
その理由は、8月に行われる二つの大きな行事にあります。
一つは、みんなもよく知っている「お盆」だよね。
お盆は、ご先祖様の霊が私たちの元へ帰ってくるとされる大切な期間。
「いつも私たち家族を見守ってくださって、ありがとうございます」
そんな感謝の気持ちを込めて祝詞を唱えることで、ご先祖様もきっと喜んでくれるはず。
それは、あなた自身のルーツと繋がり、心を整える貴重な時間にもなります。
そしてもう一つが、日本各地で開かれる「夏祭り」。
夏祭りの多くは、その土地を守ってくれている氏神(うじがみ)様に、夏の無病息災や豊作を祈り、感謝を捧げるための神事なんだ。
「今年も猛暑が続いていますが、おかげさまで家族みんな元気に過ごせています。これからもこの地域をお守りください」
そんな風に地域の神様に祈りを捧げることは、コミュニティの一員として、そして自然の中で生かされている私たち人間として、とても自然で美しい行為だと言えるでしょう。
だから、8月に祝詞を奏上することは、ご先祖様と神様の両方に、一度に感謝を伝えられる特別な意味を持っているんだ。
難しく考えずに、まずは「ありがとう」の気持ちを伝えることから始めてみようよ。
【まずはコレだけ】神棚で毎日使える基本の祝詞「神棚拝詞」
「祝詞っていろいろ種類があって、どれから覚えたらいいか分からない!」
そんな祝詞初心者のあなたに、まず最初におすすめしたいのが「神棚拝詞(かんだなはいし)」です。
これは、いわば祝詞の基本の「き」。
神棚にお参りする時に、どんな神様に対しても使えるオールマイティな祝詞なんだ。
毎日のご挨拶として、この神棚拝詞を唱える習慣をつけるだけで、驚くほど神様との距離が縮まりますよ。
神棚拝詞(かんだなはいし)とは?
神棚拝詞は、その名の通り「神棚を拝むためのことば」。
内容は、とてもシンプル。
- この神棚にお祀りしている神様への感謝
- 皇室の弥栄(いやさか・ますます栄えること)
- 国や、私たち国民の平和と繁栄
これらをまとめて神様にお伝えし、ご加護を祈るための祝詞なんだ。
特定の神様の名前が入っていないから、あなたの家の神棚にどんな神様が祀られていても、安心して使うことができます。
まずはこの祝詞をマスターして、毎朝の習慣にしてみるのがおすすめだよ。
【ふりがな付き】神棚拝詞の全文とやさしい現代語訳
さっそく、神棚拝詞を見ていこう。
最初は漢字が多くて難しく感じるかもしれないけど、ふりがなと、私が作った超・現代語訳(笑)を参考にすれば、きっとすんなり頭に入ってくるはず。
【神棚拝詞(かんだなはいし)】
此(こ)の神床(かむどこ)に坐(ま)します
掛(か)けまくも畏(かしこ)き
天照大御神(あまてらすおほみかみ)
産土大神等(うぶすなのおほかみたち)の
大前(おほまへ)を拝(をろが)み奉(まつ)りて
恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まを)さく
大神等(おほかみたち)の広(ひろ)き厚(あつ)き
御恵(みめぐみ)を辱(かたじけな)み奉(まつ)り
高(たか)き尊(たふと)き神教(みをしへ)の随(まにま)に
直(なほ)き正(ただ)しき真心(まごころ)以(も)ちて
誠(まこと)の道(みち)に違(たが)ふことなく
負(お)ひ持(も)つ業(わざ)に励(はげ)ましめ給(たま)ひ
家門(いへかど)高(たか)く身(み)健(すこやか)に
世(よ)のため人(ひと)のために尽(つく)さしめ給(たま)へと
恐(かしこ)み恐(かしこ)みも白(まを)す
【親友が教える!やさしい現代語訳】
(前半)
「この神聖な神棚にお鎮まりになっている、
お名前を口にするのも、はばかられるほど尊い、
天照大御神様、そしてこの土地を守ってくださっている産土大神様。
その偉大なる神様方の御前で、謹んでお祈りさせていただきます。
どうかこの願いをお聞き届けください。」
(後半)
「神様方の、海よりも広く、大地よりも厚い、その大きな御恵みに、心から感謝申し上げます。
神様が示してくださった、尊い教えの通りに、
まっすぐで正しい真心をもって、人としての誠の道を踏み外すことなく、
それぞれが与えられた仕事や役割に一生懸命励むことができますように、どうかお力添えください。
そして、家がますます繁栄し、家族みんなが心身ともに健康で、
世のため人のために尽くすことができますように、と
恐れ多くも、謹んでお願い申し上げます。」
初心者でも完璧!祝詞の正しい唱え方と作法 5ステップ
「よし、祝詞は覚えた!でも、どんな風に唱えたらいいんだろう?」
そんなあなたのために、祝詞を奏上する一連の流れを5つのステップに分けて解説するね。
この作法は基本の形だから、覚えておくとどんな神社仏閣にお参りするときにも役立つよ。
ステップ1:心と身体を清める
まずは神様の前に立つ準備から。
神社でお参りする前に手水舎(てみずしゃ)で手と口を清めるのと同じように、自宅でも身を清めます。
顔を洗い、うがいをし、清潔な服装に着替えましょう。
一番大切なのは「神様にご挨拶する」という意識を持つことです。
ステップ2:神様にご挨拶(二拝二拍手一拝)
神棚の前に進み、姿勢を正します。
まずは軽いお辞儀(会釈)をしてから、深いお辞儀を2回(二拝)。
次に、胸の高さで両手を合わせ、右手を少し下にずらしてから、2回手を打ちます(二拍手)。
拍手が終わったら、ずらした右手を元に戻し、祈りを込めます。
そして最後に、もう一度深いお辞儀を1回(一拝)。
これが祝詞を唱える前の、神様への正式なご挨拶だよ。
ステップ3:心を込めて祝詞を奏上する
いよいよ祝詞を唱えます。
声の大きさは、ブツブツと小声で唱えても、はっきりと声に出しても大丈夫。
大切なのは、一言一句に心を込めること。
暗記できていなくても、紙を見ながらで全く問題ありません。
神様は、あなたの「伝えたい」というその真心を、何より喜んでくださいます。
ステップ4:再びご挨拶(二拝二拍手一拝)
祝詞を最後まで唱え終えたら、神様への感謝の気持ちを込めて、もう一度「二拝二拍手一拝」を行います。
ステップ2と同じ作法で、丁寧にご挨拶しましょう。
これで、祝詞の奏上は完了です。
ステップ5:お供え物をする場合
お米やお酒、お塩、お水などのお供え物(神饌:しんせん)は、祝詞を唱える前に供えるのが基本です。
そして、お参りが終わったら、すぐに下げましょう。
下げたお供え物は「お下がり」として、神様の力が宿った縁起物になります。
家族みんなでいただくことで、神様からのご加護を体いっぱいに取り入れることができますよ。
祝詞に関するよくあるギモン Q&A
祝詞を始めようと思った時、いろんな「?」が頭に浮かぶよね。
ここでは、みんなが不安に思いがちなポイントをQ&A形式で解消していくよ!
🙆♀️ 大丈夫!こんな時どうする?
- Q. 毎日同じ時間に唱えるべき?
A. 理想は朝ですが、一番大切なのは続けること。あなたの生活リズムに合わせて、無理のない時間で大丈夫ですよ。 - Q. 途中で間違えたり、忘れたりしたら?
A. 全く問題ありません!神様はあなたの完璧さではなく、真心を見ています。間違えたところから、もう一度心を込めて唱え直せばOKです。 - Q. 家族がいて声に出せないんだけど…
A. 心の中で唱える「黙読」でも、その祈りはちゃんと神様に届きます。声に出すことよりも、祈る気持ちが大切です。
🙅♀️ これだけは注意!神様への失礼にあたるかも…
- 不浄な状態でお参りすること
帰宅して手を洗う前や、喪中など、心身が「穢れ(けがれ)」にある状態の時は、お参りを控えましょう。 - 感謝ではなく欲望ばかりを願うこと
「宝くじが当たりますように!」といったお願いも悪くはありませんが、まずは日々の感謝を伝えることを忘れないようにしましょう。 - 神棚を不潔にすること
神様が宿る大切な場所です。ホコリがたまったり、お供え物がそのままになっていたりしないよう、常に清潔を心がけましょう。
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この記事で、神棚での祝詞の基本はマスターできたはず。
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まとめ
本当にお疲れ様でした!
ここまで読んでくれたあなたは、もう祝詞の初心者ではありません。
神様に感謝を伝えるための、大切な知識と心をしっかりと手に入れました。
最後に、一番大切なことをもう一度だけ伝えますね。
祝詞は、決して上手に唱えるためのものではありません。あなたの素直な感謝の気持ちを神様に届けるための「愛のことば」です。
間違えても、忘れてもいい。大切なのは、神様を敬い、感謝するその真心です。
今日からさっそく、神棚の前で小さな声で構いませんので、祝詞を唱えてみてください。
きっと、あなたの日常が、より清らかで、穏やかなものに変わっていくのを感じられるはずです。
祝詞の世界はとても奥深く、知れば知るほど面白いものです。
もし、さらに専門的な知識や様々な祝詞について学びたくなったら、ぜひこちらのサイトも訪れてみてください。
あなたの毎日が、神様のご加護に満ちた素晴らしいものでありますように。
【和のしらべ】シリーズ
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